酸化
酸化とは、対象とする物質が電子を失う化学反応で、物質に酸素が結合、または水素を奪われる反応です。多くの場合はエネルギーを放出して、腐っていく段階と考えられます。
人の老化
人の老化は活性酸素によるカラダの錆びが原因のひとつです。
活性酸素はカラダのあらゆる部分を酸化させる原因物質であり、 細胞が酸化すると栄養、水分、老廃物の出し入れがスムーズにできなくなり、水分を取り込めず肌のシワや、悪玉コレステロールの増加など老化をもたらします。若いうちは活性酸素を自然に取り除く抗酸化作用に助けられますが、加齢にともない(特に40才を超えてから) 、抗酸化酵素が減少し、細胞の酸化が進み、老化のスピードは加速します。
人の皮膚: 細胞が酸化 ⇒ 細胞組織水分が放出 ⇒ 水分や栄養の取り込みができなくなる(細胞再生ができない) ⇒ シワ
鉄の腐食(錆び)
鉄は酸化すると腐食生成物(サビなど)が生成され、本来の性質が変化します。
食物
食物は酸素の存在下で酸化し、色や味が変質し、腐敗してしまいます。そのスピードは保管温度に大きく影響されます。
鮮魚や精肉では細胞が酸化すると 細胞組織が破壊され水分と栄養分(ミオグロビンなど)が放出され、ドリップとなります。その結果、栄養分やみずみずしさが奪われるだけでなく、ドリップは細菌が増殖しやすい環境のため、腐敗も促進されます。
もし鉄や飲食品は酸素に触れずに適切な温度・湿度の管理下で保存すれば長く酸化は防ぐことができます。ところが人間には酸素が必要なため、老化を防ぐことはできません。
食品会社の多くは食材を含む食品を長期間新鮮に状態で流通させるため、製造・保存・包装の段階で酸素以外の不活性ガスで空気を置換(ガス置換包装)し酸化を防いでいます。
また、風味が重要な食品のガス置換包装には固体や液体に溶けにくい窒素ガスで空気を置換することにより、固体や液体に溶けやすいガス成分(二酸化炭素、アルゴン、酸素など)の溶け込みによる風味変化を抑制します。
そして、ガス置換包装には二酸化炭素を単独で、または窒素と混合して使用することも広く浸透しています。これは二酸化炭素がカビを含む細菌増殖やエチレンガス生成を抑制する高い効果を有しているからです。
アルコール飲料
ブショネって?
天然のコルクに付着した、または混入した細菌とコルク洗浄時に残された塩素の反応によって腐食している状態であり、”濡れたまま放置した雑巾やTシャツのような香り”がします。全体の1/10か1/20の確率で存在するようです。以前は塩素でコルクの洗浄をしていましたが、最近では酵素や熱処理を行うことが多いようですが、コルクの熱伝導性は低いため、表面の細菌は死滅しても、内部では生きていることも多いようです。
ブショネの原因とされている化学的見解
(Wikipedia” 2,4,6-トリクロロアニソール(TCA)”項から抜粋
木材保存剤や殺菌剤などに利用されるペンタクロロフェノール(PCP)は、光やカビなどの作用により2,4,6-トリクロロフェノール(2,4,6-TCP)に分解される。2,4,6-TCP自体もまた木材保存剤などとして添加される。
2,4,6-TCPはストレプトマイセス属等の微生物の代謝作用やフェノールの塩素化により2,4,6-TCAとなる。
TCAはワインのみならず、劣化した食品やミネラルウォーター、梱包材などからも検出されており、食品の風味劣化の新たな元凶として注目されている。2,4,6-TCAは強いカビ臭を持ち、嗅覚閾値は10pptで、ごく低濃度でも匂いを感じる。これは25mプールの水に2,4,6-TCAを0.005g溶かした場合に10人中9人が匂いを感じ取ることができる値。
影響は不明ですが、ワインの開栓後はコルクの状態にかかわらず、戻さないことが風味を損なうリスク回避になると思われます。
酸化したアルコール飲料は美味しくないだけでなく、