超音波でワインやお酒がまろやかに/ 自家製リカーも | 飲食品、工業品から医療まで...ガス置換によるロングライフ化

熟成とは十分に熟した状態になること、物質を適当な温度・条件の下で長時間放置して、ゆっくりと化学変化を行わせること/ 発酵したものが熟すること、などと表現されています。

清酒、ビール、ワイン、みそ、しょうゆ、酢、チーズ、塩辛のような発酵品、ウイスキー、ブランデーのような蒸留酒など寝かせてうまみを引きす事を熟成と言いますが、実際どのような状態を”熟成している”と呼ぶのでしょうか？酸化して腐る直前のような表現をされる方もおられます。

お酒類は乱暴に言うと”エタノール水溶液”であり、水とエタノール分子、またその集合体の”クラスター(集合体）”で構成されています。

熟成していると言われるお酒類は水分子・エタノール分子で構成されるクラスターが比較的均一化しており、味は角が取れて”まろやか”という言葉で表現されています。

お酒類が超音波で熟成？

本来の熟成とは異なりますが、何年か前に”超音波装置でお酒類がおいしくなる”など、科学雑誌やテレビでも話題になったことがありました。

確かに超音波振動を若い酒類に与えれば水・エタノールのクラスターが均一化し、味わいはまろやかになります。(高そうな味わいに）

超音波洗浄機をお持ちの方は是非一度お試しください。40000Hzの超音波洗浄器でおおよそ90倍の効果（1日で90日寝かせた効果）が期待されます。

ワイン・ウイスキー・日本酒などの超音波処理の注意点：

たしかに、お酒類を超音波にかけると若いアルコールは角が取れ、まろやかになりますが、試す前に下記のご理解は必要です。

超音波処理を行うと味わいは変わり、2度と元に戻せません。(基本的には新鮮な風味は飛びます）
ボトルそれぞれ固有の熟成や風味を味わいたい方にはお勧めできません。
カップ酒やボジョレーなどを若いアルコールとして楽しまれいる方にはお勧めできません。
超音波振動はアルコール分子の反応を早めるものであり、物質を変化/変容させる働きはありません。味わいが変わっても成分そのものは変わらず、添加物も消えるわけではありません。
超音波で処理すると分子のぶつかり合いにより温度は上昇し、空気に触れる面積・量が増えるため、一般的なデカンテーションよりも酸化は進みますので、超音波処理後は早めに消費されることをお勧めします。

必要な超音波装置：

40000Hzから45000Hzの振動であれば、どのような超音波装置でも効果はほぼ同じです。

アクセサリーや眼鏡洗浄用の一般的な超音波洗浄装置（40000Hz前後)で長時間使える装置（タイマーなし、または長いタイマー）なら5,000円未満で手に入ります。果実酒製造できる酒類の専用装置（ボトルのまま使用可能）も1万円未満で販売されています。

【Cadrim】超音波洗浄機　600ml大容量　タイマー設定可能　デジタルLED時間表示　入れ歯/メガネ/時計などの日用小物超音波洗浄器

なお超音波洗浄装置は他の家電品と比較して使い方に起因する故障が多いため丁寧に扱いましょう。また水と電気を使用するため、安全性を鑑み国内外の製品に関わらずPSE認証品が無難です。

超音波洗浄器の有効活用

超音波洗浄器は様々な用途で使えます。

様々な飲み物を自分で作れます　

自家製のお酒の製造：ガラスボトルに入れ24時間超音波
- 果実酒：　梅、いちご、レモン,、パイナップルなどと焼酎やリカーなどアルコールをMIX、ザラメを加えても良い味
- 薬用酒：果実の代わりにショウガ、とうがらし、にんにくなど野菜や薬草でつくる薬用酒
- フラワー酒：　ラベンダー、桜、キンモクセイなど
自家製ヨーグルト製造